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May 04, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 19

 所長は言った、「さて、ペシャンコ野郎。ニガのお尻は鎖につながれて自由にならないことは判ってるな。いいか、よく理解しろよ。我々がおまえをここに呼んだんじゃない。おまえから来たんだ。だから、処罰をし、ペシャンコにしてやる為に我々がここに居る。ふざけた真似をしたら二通りのことがおまえの身に起こる。どっちも最低なことだ。まず、我々が馬鹿みたいに時間をかけて掘った穴がある。こいつは地面より二十フィート下にあって光も差し込まない完璧な独房だ。そこへ埋まってもらう。パンを二片と、二日に一滴の水滴を垂らしてやる。それが嫌なら、棺桶に入れられて北のゲートから出てってもらうことになる。これが二つ目の選択肢だ。この規則書をもっていってよく読んどけよ。わかったらその汚いお尻をさっさと何処かへやってくれ」

 これを聞いて、口にすることが出来たのは、「は、はい〜、よく、わかりました、所長・・」ぼくは、袋叩きに合わずにすんだミシシッピのレイプ容疑者みたいにニタニタ笑って外へ出た。

 このヘーコラした態度は正解だったようで、血気盛んな《リピーター》たちの一人は、所長を睨みつけたとか何とかで、例の穴に送られてしまった。「目線による反抗的態度」とか適当に理由をつけられるんだ。

 オスカーとぼくは、《B》ブロックで生活し、作業をすることになった。そこは全員が黒人だった。そして、三つある中でも、唯一トイレが無いブロックだった。牢の中にバケツが置いてあって、毎朝そいつを運び出しては、裏手にある水の流れにぶちまけるんだ。温かい夜に、そこから匂ってくる悪臭ときたら、人生でいちばん最低だったとしか、言えないよね。《ハイプ》だった。

 刑務所生活は・・・もう本当にラフだったよ。知恵をふりしぼった戦いの連続だった。その殆どは、あの口のきけない看守とのやり合いだよ。とにかくヤツの見えない場所に居て、トラブルに巻き込まれないようにするんだ。あの野郎は爪先立ちで歩き、囚人の心を読むことが出来る。シャツの中にくすねたパンを入れてあるだけで、何処からともなくスッと現れるんだ。心の底から、気味が悪かったし、怖かったよ。

 勿論、あのムチについて説明したパンフレットなんて、渡してくれないからさ。それで、命令を取り違えたら、容赦なく頭蓋骨をシャフトされるんだから。

投稿者 Dada : May 4, 2005 06:30 PM