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November 18, 2005

THE STEEL CASKET 2

 若くてエロいほうのホー、ステイシーをモンタナのハウスへうつした。3月のことだった。春のあいだだけ、いかせることにした。だから、6週間に1度、あっちへ行って、彼女にサービスし、ゲームをタイトゥン・アップしていた。寂しがってた。会いたくてたまらない、って。

 やがて、マダムと上手くいかなくなって、同じ町の男が経営している他のハウスで働くことになったという。彼女を訪ねるまえに、《デカいほうに賭けろ》の意見を聞いた。

「アイス、聞く耳もたず、だろうな。新しいキャデラック、すぐ買っちまうようなバカだから。今回はもっと重要だぜ。おまえも行く必要ないし、ビッチも働かせないほうがいい。あの男のことは知ってるんだ。ヘビだよ。女を預けちゃダメだ。ペンシルヴァニアに、いいハウスを知ってる。2日以内に、そっちへ移動させろ」

 でも、きかなかった。電車で会いにいった。はずれのモーテルに宿泊。《ジョニー・カト》って名前にした。町にいる黒人といったら、ハウスのホーと流れてきたピンプだけ。

 早朝、仕事を終えた彼女が、モーテルを訪ねてきた。ある日、目がさめたら、ボスがベッドにもぐりこんでた、と告白された。思わず、黒の真鍮の時計で殴ったわ、って。でも、チルしなかったらしくて。あたまから血を流しながら、50ドルだして、チンコだして、おねがいします、だって。おれのホーになれよって。こんな話を聞かされて、ぼくもビッチな気分だった。

 3日目、日曜日の夜9時ごろ。ステイシーは、日曜日は働いてなかった。ぼくらは、じゃれあっていた。ぼくは、パジャマを着て、ポケットにコカインを入れていた。煙草に火を点けたとき、警察っぽいノックの音がした。ドアのほうへいった。

「イエス、だれ?」

「警察だ、ドアをあけなさい」

 あけた。赤ら顔のスウェーデン系の警官がふたり。ひとりは豚。ひとりはひょろ長い。震える手をパジャマのポケットにかくした。指さきが、焼けるほどホットなコカインのキャップに触れた。ぴよった顔をしてないことを祈った。歯をみせて笑った。奴らは部屋に入ってきて、まん中に立った。すばやく見まわしている。ステイシーはぽっかり口をあけたまま、ベッドにいた。

「えっと、ジェントルメン、どうすればいいですか?」

 ひょろ長いのがいった、

「身分証をみせなさい」

 クローゼットへいき、ニセモノの《ジョン・カト・フレドリクソン》名義の身分証をとってきて、手のひらにのせてやった。背中を冷たい汗が滴り落ちた。奴らは、チェックしあっている。

 ひょろ長いのが、

「おい、法律違反だ。モーテルにチェックインするとき、なぜフルネームでサインしなかった。隠してることでもあるのか? この町で何してる? ダンサーとかいてあるが、ショーをやってるクラブなんか、ないじゃないか!」

 こう答えた、

「おまわりさん、芸名が《ジョニー・カト》なんすよ。隠しだてすることなんて、何もないです。劇場だと、長すぎる名前でしょ。だから、ちょっと短くするクセがついてるんです。昨年、足をやっちまいまして、もう踊れないんです。妻とビジネスをやろうとしてます。ここらのカントリーを、旅してるんです。あなたがたの町で、南部フライドチキンの店をやるのにいい場所はないですか。こいつの秘密のレシピで、リッチになりたいんです」

 豚がいった、

「おまえ、よくそんな嘘ばっかりいえる黒人の、メス犬の息子だな。この町にくるニガーなんて、新しくハウスをひらきたい野郎か、ホーのマンコをナメナメしにきてるか、どっちかなんだよ。このビッチと結婚してないだろ。おまえは生活水準の低いピンプで、そいつはホーだろ。ちゃんと観察してたんだよ。ボーイ、いいか、ニガーのお尻を町の外にだせ。いらねえよ、おまえなんか」

 ぼくは、

「ハイー! レストランのことは、忘れます」

 警官は、まわれ右をして、帰っていった。ぼくは、ステイシーのボスがチクッたことを理解していた。でも、シカゴへ戻る電車はもうない。1日に1本、夜8時だけ。連中がまたくることは、間違いなかった。ハメられたんだ。ラジオのニュース速報で、ハイウェイに雪が積もっているという。町から出られない。とりあえず、コカインを吸って、どうしようか考えた。

 次の日の昼3時ごろ、警官のチーフがやってきた。

「ボーイ、ひっかかるんだ。ニセの身分証のことは、忘れるとしよう。だが、もっとシリアスな問題がある。おまえとこの女は、合法的に結婚したのか? 違うとしたら、見過ごせん。いつ、どこで結婚したのか、おしえてくれよ」

 あたまをフル回転させた。新聞でみた、どっかの裁判所が火事になった話を思い出そうとしたけど、ムリだった。

「いや、3年前、テキサスのワコです。なんで疑われるのか、わからないすけど」

「じゃあ、これから署へ連行する。おまえの話をチェックしていくから。本当のことをいってたら、問題ないんだから。嘘つくなよ。嘘ついてたら、刑務所だからな」

 ぼくらは連れていかれ、マグを撮影され、指紋をとられた。

「ボーイ、おまえ、嘘ついてんじゃねえかよ。ワコに電話したんだよ。おまえらの記録なんて、なーんもねーんだよ」

 で、投獄された。1時間後、ひとり200ドル払って、保釈された。ふたりで、とぼとぼ歩いて、タクシーをつかまえ、モーテルへ帰った。時間がなかった。もう、奴らは探しはじめてるだろう。ハウスから彼女の荷物をとってきて、駅のベンチに座って夜8時の電車を待った。

投稿者 Dada : November 18, 2005 12:20 PM