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November 08, 2005

THE ICE PICK 6

 キムのところへ戻ると、彼女は荷物をまとめ、じっとしていた。駅へむかう途中、頭蓋骨の中にある〈ピンプの本〉のページをめくり続けた。この女の尻にキスすることなしに、別れずにすむ方法はないか、探していたんだ。

 でも、1行も書いてなかった。ビッチは男を試してくるという事実が、はっきりしただけ。ロータリーへ入っていくと、キムは、がっくりとうなだれていた。

「ホントに別れるつもり? ダディ、愛してるよ」

 すかさず、プラットしはじめた。こう言ってやった、

「ビッチ、心にうさぎを飼ってる女は、いらない。一生かけて愛してくれる女が欲しい。朝っぱらから、ブルシットかましてくる女はいらないよ。さあ、行けよ」

 ところが、こんな風に言われると、逆にブッチャーされるところが、ビッチさ。ぼくの膝に崩れ落ち、いっしょにいさせて、と泣き喚いた。ホーと別れるとき、こっちにはセオリーがある。金がないと、女はなかなか別れられない。

「さあ、金を出せ。したら、チャンスをやるよ」

 胸の谷間に手を突っこんで、札束をとりだした。500ドルかな。まだまだ使える若いビッチを切るなんて、マヌケなピンプのすることさ。ふたりで家へ帰った。

 いろいろあって、ホテルへ戻る途中、“スウィート” ジョーンズの言葉を思い出した。

「スリム、美しい黒人のビッチと、白人のホーは同じ。ステイブルを壊すぜ。ピンプをすっからかんにするぜ。できるだけハンプさせろ。金をむしり取れ。ピンピンは愛のゲームじゃない。ペッティングだけなら、いくらでもやっていい。しかし、チンコは入れるな。ホーに愛されてるとかいってる奴は、ママのマンコに戻らなくちゃな」

 さらに、ペッパーのことを考えた。さらに、“スウィート”が、《ジョージア》について語っていたことを、思い出した。

「スリム、ピンプはな、ゲームをリバースすれば、ホーなんだぜ。もらったぶんだけ、サービスしろ。ヤるまえに金を受け取れ。ホーはピンプのお客さん。《ジョージア》させたら、ダメだよな。ホーといっしょだろ、最初にお金、まず、マネー」

 エレベーターに乗った。今度は、ぼくのことを最初に《ジョージア》したビッチを思い出した。3才のとき、頭を掴まれ、フリム・フラムされたんだ。もう、ババアだろう。髪も真っ白でさ。だが、見つけたら、必ず金をもらう。

投稿者 Dada : November 8, 2005 01:00 PM