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November 11, 2005

STABLE MOVES 2

 トレドからクリーヴランドは、目と鼻の先。より大きなこの街に、狂ったアパートメントを借りた。クリーヴランドはぶっ飛んでた。人生最高のピンピンをするつもりだった。キムは、金満家の白人と逃げた。どうでもよかった。2つの街は、若くてイイ女であふれていたし。ゲームの名は「口説いて、別れて」、当然だろ。

 4ヶ月で、トレドに3人、クリーヴランドに5人のホーを抱えた。ピンピンは問題ない。ドープのコネもあった。全てが上手くロールしていた。たったひとつの事柄をのぞいて。レイチェルが、有名になりすぎたんだ。ピンプ、詐欺師、金をもってる売人、みんな、彼女を狙っていた。優しい声音で、魅力的なオファーをかけていた。

 彼女は、悩んでいた。ぼくは、失いたくなかった。もちろん、シリアスな理由がある。もし別れたら、この女はチビと合流して、FBIに通報するかもしれない。ニューヨークから流れてきた詐欺師が、美しいレズビアンを遣って、レイチェルを口説いているという情報があった。しかも、彼女は、女にどんどんハマッてきてるらしい。

 ある早朝、トレドの、レイチェルの家へ行った。すると、3人で、ベッドにいた。そうそう、おやすみ前の絵本を朗読してて・・って、んなワケないだろ。ぼくは、クールに、冷静な態度をとった。レイチェルに、ビジネスであり、パーティーをしていただけだ、と説明させた。イラつく詐欺師と淫乱なジャスパー。噂は本当だった。

 この件は、頭痛のタネだった。ステイブルの他のビッチとレズッてるなら、気にすることないんだけど。詐欺師に、こんな形で、ボトムを奪われたくなかった。

 ピンプとしてのキャリアが、終わりかねない。このニュースは、1ダースの州を駆けめぐるだろう。イヤだ、絶対。まだ、あの人がいる。高くつく友人。ともにライドしてきた男。ぼくの背中にはりついた猿。スウィートなら、このタフな問題に解決策を与えてくれただろう。だが、数週間前、かれは自らのこめかみを撃ち抜いていた。

 ほろ苦いノートが残されていた。

「さらば、お尻の四角い奴ら! ピンプの尻にキスしてろ!」

 ぼくは、何も感じなかった。レイチェルのアパートメントを出ると、テキトーな方向へ車を飛ばした。頭蓋骨の中のホイールもフル回転させながら。なぞなぞを解く鍵が浮かんだ。悲惨だが、完璧な方法。これが上手くいけば、一生、レイチェルと別れず、FBIにチクられる心配もなくなる。

投稿者 Dada : November 11, 2005 03:00 PM