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October 15, 2005

AWAY FROM THE TRACK 2

 ぼくは、ウィスコンシンに移送された。クリスは3000ドルをもって来てくれ、州刑務所の口座に振り込んでくれた。

 ママも面会に来た。彼女は、ぼろぼろになっていた。ぼくが政府から50年の禁固刑をくらうと思いこんでいた。

 ヒアリングの結果、保釈金は20000ドルに設定された。保証人が立て替えた。かれに2000ドルの手数料を払った。州でいちばんの弁護士を雇い、1000ドルを支払った。

 クリスとぼくは、ストリートに戻った。4ヶ月が保釈期間だった。そのあいだに、2人の新人ホーと3人の年季の入ったホーをコップした。1ヶ月以上もった女はいなかった。

 みんな、ぼくが置かれている状況を知っているのだった。女たちは、ヘビに食われるカエルを太らすようなことはしないんだ。《スウィート》ともほとんど会わなかった。もう、かれを友人だと思わないようになっていた。ぼくは転落していくだけのピンプだった。《ポイズン》がナンバーワンになった。

 いくら稼いでも、すべて弁護士の費用に消えていった。そうしなくてはいけなかった。裁判の延長手続きを何度もやっていたから。でも、ついに法廷に立つことになった。チビのビッチとオフェーリアが証人として来ていた。彼女たちは、怖ろしくてぼくを見るのをためらっていた。ぼくは、政府にとってあきらかに矯正すべき人間だった。

 懲役18ヶ月の判決が下ったとき、ふたりのビッチは笑っていた。ママは気を失った。クリスはワーワー泣いた。まあ、たしかに弁護士の腕はよかった。告発された罪状だと、10年くらってもおかしくなかったからさ。クリスは、ストリートへ戻っていった。彼女は、ぼくが出てくるまで待っていると誓った。

 リーヴンワース刑務所は、政府がA級刑務所と名付けている施設だった。巨大で、脱獄は不可能になっていた。偉大な精神科医たちによって運営されているということだった。看守はぜんぜんキツイノリではないんだ。その必要がないんだ。鉄格子以上にキツイ、目に見えない精神的な足かせが用意されているから。アルカトラズ刑務所という言葉が、連中がときどきちらつかせる切り札だった。

投稿者 Dada : October 15, 2005 06:00 PM