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September 24, 2005

TO GAIN A STABLE 7

 ぼくは、大通りに車を停めた。エンジンはかけたまま。《フリーバッグ》ホテルの前だった。たぶん、ポケットの中には2500ドルほど入っている。彼女にそれをちらりと見せた。10ドルを抜いて、差し出した。だが、無視された。

「ブラッド、あなたのことを忘れてたわけじゃないの。電話したかったのよ。喋りたかったよ。でも、リロイがずっと監視してたから。
 トイレまでついてくるのよ。あたしがどれだけあいつのことが嫌いか、理解できないと思う。終身刑になればいいのに。お願い、捨てないで、ブラッド。約束は守るから。もう、自由になったから。ベイビー、あなたのものよ。川に飛び込めっていわれたら、そうするよ」

「いや、クリス。心配なんだよ。リロイのせいで、きみは口先だけの汚いビッチになってしまったから。ステイブルに頭痛のタネを持ちこむようなピンピンはしてないんだ。でも、いつだって力になるよ、クリス。ぼくの心臓はちみのために動いている。いちばん最初にきみのことを考えるよ。
 ぼくのホーたちは、ストリートで1日16時間働く。彼女たちは、それが好きなんだ。でも、きみにそのくらいの根性があるとは思えないんだ。クリス、ぼくのこれからの人生、きみのことを考えるたびに哀しくなると思う。あのとき、どうすればよかったのかと、息が詰まりそうになると思う。さあ、この10ドルを受け取って。ベイビー、どうか幸せに。さようなら、クリス。ぼくがくじけて、きみをホーにする前に、お願いだから消えてくれ」

 彼女越しに手を伸ばし、車のドアを開けた。ぼくの頭蓋骨は、175ドルのシリンダーみたいにヒットし続けていた。彼女がぼくのものになろうとしていた。

 そういえば、この子はクリスティンという名前だった。テレ・ホートから送金するとき、ぼくが使っていた名前だ。チビのビッチにとって幻のホーが、ついに現実になったということだね。

投稿者 Dada : September 24, 2005 06:30 PM