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September 23, 2005

TO GAIN A STABLE 6

「クリス、もう別れたほうがいい。リロイがぼこぼこにした男、白人だったぜ。白色人種の奴ら、きみも処刑するよ。結局、きみが原因になってるんだから」

 ぼくらは、ラサールへ乗り込んだ。そして、パトカーのほうへゆっくりと進んでいった。手前に一組のカップルがきて、通りを横切った。ぼくは、パトカーの真横で車を止めた。クリスが手を伸ばせば届きそうだった。

 ぼくは振り返り、パトカーの後部座席を覗きこんだ。リロイがクリスをじっと見ている。やがて、こちらへ目を移した。かれは、いきなり前の席へ飛び移ろうとしたが、警官に制止された。車を出す。リロイのあたまはどんどん遠ざかっていった。

 あの動きを見ると、あいつ、ぼくのことを覚えていたな。ラサールは街の西部からいっきに走り去った。クリスは泣いていた。車が南部に入るまで、ぼくは黙ったままだった。そして、言った、

「大丈夫だよ、クリス、もう現場からはだいぶ離れた。いま、どこに住んでるの。家まで送るよ。泣かないで。あいつが逮捕されたら、いつでも逃げ出すことが出来るよ」

「うん、送ってくれるの? だったら、引き返して。リロイのぽんこつ車まで戻って。あいつが発狂したバーの裏に停めてあるから。
 昼すぎにこの街にきたの。もう家も探さない。たぶん、一生、家に住めないと思う。もう、へとへとだよ。毎晩、稼ぎのためにギグをやるの。ブルースを歌ったりするのよ」

「ビッチ、きみ、ひどい格好だぜ。ぼくに連絡するって言ってたじゃん。ぼくのホーになるって。覚えてる? それとも糞野郎といっしょに刑務所にぶち込まれるために引き返すのか?」

 このとき、いまが彼女をコップするための絶好のチャンスなのだと思った。ぼくがすべきことは、自信をもって接すること、彼女にハッタリをかまし続けることだった。

 リロイはどう考えても刑務所入りだ。保釈金も払えないだろう。クリスはぼくのものになるしかない。ぼくの3番目のホーに。

投稿者 Dada : September 23, 2005 06:10 PM