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September 12, 2005

THE UNWRITTEN BOOK 5

 ぼくは言った、「30年後も、この話を決して忘れないよ。《スウィート》、ぼくを助けてくれたこと、後悔させないから。命のかぎりピンプし続ける。あなたの誇りになるよ。オー、イェー、錠剤を受け取るのを忘れないようにしなきゃ」

《スウィート》は立ちあがった。ミス・ピーチが足を曲げ、ぴょんと跳ぶと、彼のあとについて歩きだした。うしろ足の鋭くカールした爪が、ぼくのパンツの膝を引き裂いていった。服を破られ、裸にされても気にしなかっただろう。ぼくは、スリルで目がくらんでいた。《スウィート》・ジョーンズに大事なことを教わったんだ。ピンピンの史上最速記録を樹立できそうだった。

《スウィート》が戻ってきた。白い錠剤が入った小さなボトルを手渡された。彼は、ぼくの肩に手を置いた。ぼくを見下ろした。いつも氷点下の視線が、ちょうどゼロ度くらいに変化した気がした。

「愛してるぜ、スゥイートハート! 俺は絶対におまえに笑いかけることはしない。だが、息子のように愛してるよ。俺が他人に微笑むときは、そいつを裏切るときか殺すときだ。また説教されたかったら、いつでも電話しな。幸運を祈るぜ。グリーニー」

 挨拶をし、廊下へ出た。ふと後ろを見ると、《スウィート》はミス・ピーチをしっかりと抱いていた。彼女はまるで花嫁みたいにゴロゴロと喉を鳴らしている。声をだして笑いはじめた唇を、彼はキスでふさいだ。

 腕時計を見ながらフォードへ乗りこんだ。午後4時。チビのビッチめがけて車を走らせた。アクセルを思いっきり踏みこんだ。こんな風に考えていた、

「《スウィート》は、まちがいなくもっとも偉大なピンプだ。黒人のピンプの歴史すら知っているのだから。ビッチにはもう容赦しない。完全なる罰を与えてやる。あのビッチ、まだ通りへ立ってないといいな。あいつが消えても、ホーをもらう約束をしたし。《スウィート》のホーならだれでもOK。たぶん、ミミがもらえるな!」

- つづく -

投稿者 Dada : September 12, 2005 06:00 PM