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August 27, 2005

THE BUTTERFLY 6

 ぼくは、廊下ではじめて彼女と会ったとき、もう心の中をのぞいていたのだった。つまり、彼女はセックスが大好きだということをしっていたんだ。ぼくのあそこに釘付けになった瞳。きょうは、タオルすらしていない。あの女がドアを開けた瞬間を狙って、固くなったペニスを見せつけてやるつもりだった。

 たぶん、あの美しい腕にコカインを注射することもできるだろう。新しい世界を知って、ますますエロくなるはず。スカーフェイスのラッパ吹きから、彼女を奪うことだって可能だろう。そして、明日にはストリートに立たせることも。

 ぼくは思った、「あのビッチのおかげで、ピンピンが加速するぞ。年季が入ったおばさんじゃない。まだ19にもなってない、クジャクのお尻みたいにセクシーなビッチ。クールにやろう。クイズを出そう。どっかの阿呆に蹴られてホーをやめたんだろう。そこへ、あのスカーフェイスがあらわれたんだろう。
 まず、ピンプとしての役割を確認しよう。その上で、いつもより少しだけスウィートで高級感のあるブルシットをかますんだ。刑務所の白人ピンプが話していた、ジゴロっぽいノリも入れていこう。とりあえず、サイラスに電話しておこう。スカーフェイスの男とやりあう覚悟は出来てないからな」

 ぼくは、ドアの鍵をはずしておき、電話のほうへいくと、サイラスを呼び出した。

「きいてくれ、重要なことなんだ。422号室に住んでる、お尻のキュートな黄色い女といい感じなんだよ。あんたとフロントの女に5ドルずつあげるから、ラッパ吹きの男がホテルへ戻ってきたら、電話してくれないか。バレたらヤバイから、たのむよ」

「えー? ラッキーだな、お兄さん。YMCAのシャワー室にまぎれこんだオカマよりラッキーだな。準備はオッケーなのかい? ああ、電話しますよ。エレベーターも止めましょうか。あとで、すこしだけ覗いてもいいですかい? ハ?」

 電話を切った。足首に冷たい風がふれた。リビングにいくと、彼女がいた。ほとんど裸のような格好だった。窓辺の椅子に、足を組んで座っていた。ストリートを眺めるのをやめ、ぼくのほうへ向き直ってじっと見つめてきた。

投稿者 Dada : August 27, 2005 06:25 PM