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August 02, 2005

GRINNING SLIM 8

《スウィート》が言った、「《トップ》、この青二才は見込みあるぜ。いつもビッチみたいに笑っている馬鹿だが、危険を避ける知恵はあるみたいだ。俺のかわいいミミっていうホーにチンコを入れようとしなかったんだ。キッド、ピンプになりたがってる黒人のガキは好きだぜ。大物になるには、それしかないからな。おまえの叔父さんは、いいピンプだ。世界一は俺。叔父さんは、おまえがこの道をあきらめて田舎へ帰ったほうがいいと思ってるようだが。

 1人ホーがいるそうじゃないか。スタートすることは出来たわけだ。あと2、3時間もすれば、この家は超一流のホーで溢れかえる。おまえを観察させてもらうよ。自分自身をどうハンドルするのか、見せてもらうことにしよう。俺の秘蔵っ子にしてやってもいい。だがな、冷酷になれ。わかるか、キッド、icy? icy? アイシー、冷酷だ。いい加減、その笑顔はやめろ。笑うな。表情を凍らせるんだ。そのままでいろ。もしかしたら、おまえの糞ったれの叔父さんに、俺ならロバでもケンタッキー・ダービーに勝てるくらい鍛えられるということを、証明してやれるかもな」

《トップ》が言った、「なんだよ、ハニー、焚きつけるのは止めてくれ。俺はあきらめさせようとしてるんだから。こいつのことが好きなんだ。でも、ピンプ・ゲームは無理だ。口は上手いと思う。それは否定しない。マーフィー・プレーヤーか詐欺師くらいならなれるだろう。だが、ピンプの道を進んでいけるほど心臓が冷たくない」

 ぼくは思った、「この家、やっぱりヤバイな。《トップ》の部屋なんて、豚小屋に見えるよ。こういう場所こそ、ぼくにふさわしいぜ」

《スウィート》が言った、「まあまあ、ちょっくらベッドルームへ行って、ネタの準備をしようよ。もうすぐ客も来るからさ。 《パッチ・アイ》を寄こすからディールしてくれ。俺はドープ・ペドラー(売人のこと)じゃないからさ。ピンプなんだ。キッド、おまえもくつろいでな。フィリピン人に酒を持ってこさせてもいいし。そこにバーがあるから、自分で取ってもいい」

投稿者 Dada : August 2, 2005 06:00 PM