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August 17, 2005

GRINNING SLIM 15

「こら、ガキ、なぜ、あんなビッチがおまえに付きまとうのか、わかるか? おまえがいつも、チシャ猫みたいにニヤニヤ笑ってるからだ。何が可笑しいんだ? ひっぱたいてやろうか? 腰抜けはピンプになれない。
 さっきも一度言ったよな。何千回も言ってやんないとわからないか? お尻が緑色のニガ、ピンプになりたいのなら、氷になれ。死んだ女のプッシーみたいに冷たくなるんだ。さあ、おまえはビッチなのか、オカマなのか、もしどちらかなら、この場で教えてくれ。すぐに女装させて俺のホーにしてやる。いいか、冷酷になれ。そのくだらない笑いを止めるまで、俺に顔を見せるな。どっかに消えてろ」

 壁に叩きつけられると同時に、タイルの床に激突した彼の靴音を聞いた。後頭部をしたたかに打った。痛みにかすむ意識の中で、《スウィート》が歩き去るのを見た。

 背中がゆっくりと滑り落ちた。長くのびた足を床にだらりと横たえた。爪先の向きが変な風になって、ぼくは思わず笑ってしまった。座りこんだまま、目の前の滑稽な自分の足を、見つめていた。

 やがて、青いモヘアの足が垂直に立っていることに気がついた。見上げると《トップ》だった。手をのばし、ぼくを助け起こしてくれた。

「おい、あのブサイクがキチガイだってよくわかったろ? ほら、俺のキャデラックの鍵だ、もっていきな。裏の駐車場から出してきてくれ。そこら辺に停めて、待っててくれ。麻薬の代金を受け取ってから、合流するから」

 ぼくは、絨毯に目を伏せたまま歩いていった。くすくす笑いをしているピンプやホーのあいだをすり抜けた。ようやくエレベーターホールまで辿り着くと、フィリピン人の執事が立っていた。下へ降りるボタンを押してくれた。

 彼は、まるで金色のホイルに身を包んだ、親切な茶色い蛇だった。ぼくの耳のあたりに手をやり、衿を直してくれた。真珠の帽子かけから帽子をとって、ぼくの頭にのせると、ツバをスナップした。汗よけが針のように肌に突き刺さった気がした。ぼくは、自分で帽子を被り直した。

「おやすみなさい、サミーは、あなたが素晴らしい時間を過ごして下さったと確信しております・・」

「ああ、サミー、ありがとう。ヤバイ夜でしたよ。忘れられないと思う」

 エレベーターが下へ到着するとき、股間がむくむくと立ち上がるのを感じた。エントランスにいる茶色い肌の可愛い娘は、たまにホーになったりするのかしら・・・。

投稿者 Dada : August 17, 2005 06:00 PM