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August 05, 2005

GRINNING SLIM 11

 全員の目が、部屋に入ってきた《スウィート》と《トップ》に注がれた。右目に白いシルクのパッチをあてた黒人の老人が後ろについていた。さらに、ミス・ピーチが続いた。パッチの男は、灰色のモヘアのスーツを着たハゲタカみたいだった。白のベロアのソファの前で、ミス・ピーチが牙をむいた。

 ソファに座っていた3人のピンプは、2バレルのショットガンを突きつけられたみたいに飛び上がり、そこをどいた。絨毯の上に尻もちをついた。《スウィート》、《トップ》、ミス・ピーチがそこへ腰かけた。

 ぼくは、ガラスのドアの近くにあったサテンの枕に座っていた。その場所からショウを見物するつもりだった。《パッチ・アイ》は行きすぎるとバーの奥へ入っていった。全員が、ソファのまわりに半円形になって集まった。ソファがステージで、《スウィート》は主役であるかのように。《スウィート》が言った、「さて、まぬけども、ボクシングの試合はどうだった? ニガが白人野郎を殺したか? それとも、黒いケツが黄色い糞まみれになったとか?」

 顔が大きい南部訛りの白人のホーが、バンクヘッドみたいに答えた、「ジョーンズさん、最初のラウンドで、ニガが白人の馬鹿をぺちゃんこにいたしますた」

 みんな大笑いした。《スウィート》以外は。何かをひねり潰すように両手を合わせている。あの女を睨みつけながら、あの人、どんな狂ったことを考えてるんだろう? ぼくはこう思っていた。お尻の大きな黄色いホーが、金色の蓄音機に再び針を落とした。《悲しい日曜日》、あの自殺者に好まれる曲が、部屋中に流れだした。彼女は、じろりとぼくを見ると、立ち去った。

《スウィート》が言った、「まあ、いいや、諸君、《パッチ・アイ》が注射器とネタをもってくるから、思いっきり体に悪い遊びをしてくれ!」

 みんな、サテンの枕やベロアのソファから立ち上がって、バーの《パッチ・アイ》のところへ集まった。

 さっきのお尻の大きなホーが、ぼくに近寄ってきた。目の前で立ち止まった。太ももの内側に、黒い線のようなあざがある。ぱっくりと口を開けたあそこの内側は、ビーフステーキみたいな赤だった。顔の右側に、ナイフの切り傷がある。頬骨の角からねじれた口まで、鮮やかに残っていた。顔中、あばただらけ。乳房の谷間に突っこんだ、真珠の柄のついたナイフに目を奪われた。灰色の瞳は、頭蓋骨の中でくるくるとまわっている。ハイなんだろう。

 注意しながら、にっこり笑いかけた。《スウィート》がこっちをディグしている。イラついてるっぽい。この女に速攻チンコしゃぶらせたあと、ナイフでめった刺しにするくらいじゃないと全然ダメ、とか考えてそうで怖え・・。

投稿者 Dada : August 5, 2005 06:00 PM