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June 09, 2005

THE JUNGLE FAUNA 4

 彼は言う、「ああ、ボク、覚えてるよ。クソ、背がのびたな。俺はどんどん年をとっていく。名前はなんていうんだ? あのな、十二年前にこの喧しい街へ来てから、俺はファンキーな休みをとってるんだよ。まあ、ちょっとツキに見放されてるんだ。で、この賭博場をやってるダチに世話になってるんだ。だが、俺よりもそのダチの方が俺のことを必要としている。なにしろ、ホットな客を連れてくるからさ。一日に二桁なんてざらだよ。そのうち、またプレストンの名前は響き渡るよ。それで、何人のホーがいるんだ?」

 ぼくは言う、「名前はスリム・ランカスター。《ヤング・ブラッド》って呼ぶヤツもいるよ。略して《ブラッド》さ。今は女は一人しかいない。でも一ヶ月もすれば、この辺りの女は全員、ぼくの《ブー・クー》になるよ。当たり前だろ。今夜、この街に到着したんだ。さっそく女を仕事に出したいんだけどさ、ここらのストリートについて教えてくれないかな。ひとっ走り隣の店へ行って、リブを買ってくるからさ。昼から何も食べてないんだ。あんたもどう?」

 彼は言う、「ブラッド、新しいことを始めたいなら、角の酒屋でオールド・テイラーを半パイントほど買ってきてくれ。色々、教えてやるよ。でも、最後まで聞きたくなる話にはならないと思うぜ・・」

 外へ駆け出すと、フレッシュでチルした空気が心地よかった。デリでリブを注文しておいた。角の酒屋に向かう途中で、《悪魔のねぐら》が見えた。

 ぼくは近寄って、窓のブラインドの下から覗いてみた。中にはピンプ、娼婦、ハスラー、そして白人の男たちが円形のカウンター・バーにひしめきあっている。顔に火傷のある男がコンボを率いていた。男は《鳥》ことチャーリー・パーカーのフレーズをエイプしようとしている。赤黒い顔が、真っ黒になっていた。ホーンを吹きながら、窒息死しそうになっていた。

 奥では、カーペットくらいのサイズの小さなダンス・フロアで、黒人と白人の男女が入り混じって《サヴォイにてストンプ》に合わせて踊っている。禁断の果実が欲しくてしょうがない、シルクのような白人女たちが、壁ぎわに列を作って佇んでいるのが見えた。

投稿者 Dada : June 9, 2005 06:45 PM