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June 18, 2005

THE JUNGLE FAUNA 12

《悪魔のねぐら》から1マイルも離れていないところに、清潔なホテルをみつけた。《ブルー・ヘイヴン・ホテル》とよめる青いネオンが点灯していた。青と赤のロビーへ入っていった。デスクに女がいた。日焼けした頬に切り傷がある。重量級のレスラーみたいな体と声をしていた。

「長期滞在ですか? それとも、一夜だけ?」

「長期はいくら? いちばん高い部屋でいいよ。眺めのいい部屋がいい」

「いちばん高いシングルは、週30ドル25セントです。このホテルでいちばんいい部屋は、週100ドルになります・・・」

 そう言うと、彼女は立ち上がり、背後の赤いボードのほうへ行った。鍵をいくつか取ってきて、ぼくに手渡した。

 昇降機のオペレーターは年老いた男で、《マギー&ジグス》をよんでいた。口笛で《聖者が街へやってくる》を吹いていた。まるでオランダの沈没船の地図をみつけたかのように、彼の目はマンガに釘付けだった。ぼくは、3階で降りた。

 ふたつのシングル部屋をチェックした。カーペットはシミだらけ、家具はぼろぼろだった。まるで地下のホテルだ。廊下にはマリファナの香りがぷんぷん漂っているのだった。

 階段で4階へ。また、ふたつの部屋をみた。2番目の部屋がよかった。金と黒でフレッシュに飾られている。家具は白くてまだ新しかった。シミひとつなく、まばゆいばかりだった。金のカーテンがつけられた大きな窓から、通りが見渡せる。今のぼくにとって、申し分のない部屋にみえた。もっとビッグな女を抱えてビッグなハッスルをするまでは、何の問題もないようだった。

 昇降機へ戻り、ボタンを押した。ダイアルは2階と3階のあいだで止まっている。階段をつかった。あのオッサン、《マギー&ジグス》にハマりすぎだろ、と思っていた。もしくは、ホテルに住んでるホーとよろしくやってるとか? マンガを参考にして、セックスばっかりやってるのかも。

 1週間分、前払いしておいた。もらった鍵をポケットにしまうと、フォードへ歩いていった。そして、ようやく、おチビちゃんの待っている部屋へ車を走らせた。《ヘイヴン・ホテル》から100ヤードの場所にある、《マーティン・ホテル》で、黒人の娼婦が白人の男の手を引いて入っていくのを見た。うちのチビもあの地区で、いい仕事ができるだろう。

投稿者 Dada : June 18, 2005 03:00 AM