« THE JUNGLE FAUNA 9 | メイン | THE JUNGLE FAUNA 11 »

June 16, 2005

THE JUNGLE FAUNA 10

 頭蓋骨をのぞきこむと、《悪魔のねぐら》のことを思いだした。腕時計に目をやると、午前1時半。ぼくは、《ねぐら》へと歩きだした。この街に到着してから、たったの3時間半。そのあいだに、200ドルと12ドルを失ってしまったんだ。じぶんがどれだけ世間を知らないのか、それを知るための授業料みたいなものだろう。半人前のガキが決意を固めるのは、簡単なことだった。

 こう思っていた、「心をスポンジのようにしなくては。目と耳をストローみたいにするんだ。ピンプと娼婦にまつわることなら、何でも学ぶんだ。一刻もはやく、ピンピンの秘密を知らなくてはならない。白人のピンプみたいに、中途半端なジゴロ・ピンピンの男にはなりたくないんだ。本気で世界中の女たちをコントロールしたいんだ。女の人生のボスになり、女の思考を知る。リンカーンは奴隷解放なんてやってないと、女に信じこませたいんだ」

 さて、《ねぐら》は引き続き、もりあがっていた。ぼくは、バーの中央にある空いたスツールを確保した。赤いサテンのカクテル・ドレスを着たメキシコ人の女が、ピンク色をしたプランターズ・パンチを運んできた。

 コンボは《ふたりでお茶を》のフレーズをアップ・テンポで奏でている。鏡ごしに、醜いニガが、天使のような白人女のあそこを《指スティンク》しているのが見えた。しかも、もう片方の手で、別の女のあそこを《ポケット・プール》している。女は目を閉じていた。安物のティアラが、インチキな天使の輪みたいに見える。下唇を噛んでいる。快感で別の次元へいっているんだろう。

 次は、耳で学習。右隣にいる男が、そのまた隣にいる男に、何か《ラップ》しはじめたんだ。彼はこう言っている、「300ドルを返してくれよ。あんたから買ったビッチ、あれからまだ、3人くらいしかトリックしてねえぞ。死にぞこないのビッチじゃねえか。最悪だよ。ストリートを歩くこともできない・・」

 売った男はこう言っている、「ジャック、そんなこと、最初からわかってただろ、ああいう女なんだよ。今さら言われても、知らねえよ・・」

 買った男はこう反論する、「ふざけんな。あんた、あのビッチの体がボロボロで、治療に1000ドルもかかること、知ってたんだろ。あんな女、返品するから、150ドルでも返せよ・・」

「しつこい奴だな、買ってから言うんじゃねえよ。そっちこそ、俺をハメようとしてんじゃねえのか。どうせ、お前がビッチをストンプしたんだろうよ。ボコボコにして、顔の形まで変わってんじゃねえのか。そんなビッチ、買い戻すわけねえだろ、たとえ1ドルでも払わねえよ、馬鹿」

「買い戻さない? なんだよ、それ。騙しやがって。棺桶に片足突っ込んでる黒い犬ころに300ドルも払っちまったよ、いい加減にしろ・・!」

「俺はな、じぶんのピンピンで忙しいんだ。おまえの女をピンピンしてる暇はないんだよ。もうカラむのは止めてくれ。いい話を教えてやるからさ。

 じつは、北のほうに娼婦の館があるんだけど。そこは、客が全員、中南米から来てるんだ。ひとり5ドルも使わないけど、数が凄いからさ。週末には、舗道まで行列を作るくらいなんだ。でね、おまえは、少しばかりの麻薬をコップして、ビッチを何とか立たせて、そこへ連れて行けばいいんだよ。

 そこへ到着してしまえば、ビッチは寝てるだけでいいんだから。いくら死にぞこないでも、チンコさえ出し入れできれば、息をしてるかぎり、おまえの財布に金が入ってくるよ。上手くいけば、投資した金を回収するまでビッチが生きてるかもしれないよ。てゆーか、さらにプラスがでて、儲かるかもよ?

 あのビッチ、まっ黒で、かわいいだろ。まだまだ、使えるよ。中南米から来てるスピックどもは、とにかく黒い女が好きだからさ。ジム、さあ、いいこと教えてやっただろ。理解したら、明日の昼にでも電話してくれ。したら、俺はその店と連絡を取るからさ。そこの女と友だちなんだよ。明日になれば、バッチリ事が運ぶぜ、心配すんなよ、な・・・?」

「そうそう。そうやって、俺と協力したほうがいいよ。あんなビッチでも、金が稼げそうなら、何だってやるよ。じゃ、明日の昼に電話するね。これで、あんたとモメる必要もなくなったな。それでは、お開きにしようや。ぼくは、家へ帰ってヘロインでもキメます。では、明日、よろしく・・・」

投稿者 Dada : June 16, 2005 06:45 PM