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June 27, 2005

DRILLING FOR OIL 6

 後部座席に巨大な男がいるのがわかる。膝の上にはオセロット(中南米産のヤマネコ)が、胸もとにもたれて寝息を立てていた。宝石をあしらった首輪をはめている。そこから、金の鎖がのびている。

 男は、二人のスペクタクルなホーのあいだに座っている。街灯に照らされて、指のダイアモンドが光っている。前の席には、三人のゴージャスな白人のホー。彼の顔は《黒いフランケン・シュタイン》という表現がぴったりだ。

 何かを話しはじめた。五人のホー、全員が男のほうをむいた。まるで、彼が神で、天国への行き方を教わるかのように耳を傾けている。もうすぐ世界が終わるけれど、安全な場所を告知してもらえるとでもいうように。

 ぼくは、「あれは、だれだい?」

 小人が、「ああ、だんな、よその町から来たんですかい。あれが、《スウィート》ジョーンズですよ。世界最高のニガのピンプです・・・!」

 痩せた男が口をはさんだ、「あそこにいるまだらの猫みたいな女、ミス・ピーチ。あのビッチだけなんだ。それ以外の女は、《スウィート》は生きていようが死んでいようが問題にしない。それにしても、ここにいる女たちは奴のピンピンしてる女の半分にも満たない。もし宇宙にもニガのピンプがいたとしても、あの野郎にはかなわないだろう。これから《悪魔のねぐら》へ繰りだして一杯やるのさ。2万ドルはもってる。だが、襲撃しようなんてハスラーはいない。あいつは遊び半分に人を殺すから」

 ぼくは、じぶんの見ている光景が信じられなかった。1938年の出来事なんだよ? デュッセンベルグは億万長者の乗る車だった。たぶん、合衆国であれを所有していたニガのピンプは《スウィート》だけだったはず。ぼくは、とにかく彼と強烈なホーたちを目に焼き付けようとした。まるで、人類の熱烈なアンコールにこたえて、キリストが復活したかのように。

 いつのまにか、小人は靴を磨き終えていた。ぼくは、彼に1ドルやった。そのまま、デュッセンベルグから降りて《悪魔のねぐら》へと歩んでいく、史上最強のピンプとホーたちを観察していた。まだらの猫みたいなホーは彼のとなりだ。

 ぼくは、こう考えていた、「今夜、彼となかよくなろう。絶対に怒らせないように。《ねぐら》の中でやるんだ。何かしら仕掛けよう・・!」

投稿者 Dada : June 27, 2005 06:25 PM