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June 03, 2005
A DEGREE IN PIMPING 8
フィリスはレコード・プレーヤーのほうへよろめくと、その角を持ち上げた。そして、下から札束を取り出した。エリントンの《ムード・インディゴ》をリジェクトし、また別のレコードをかけた。
《レディ・デイ》が、哀しい歌を奏ではじめた。《彼はわたしを愛していないのよ、酷い扱いをするのよ、こんなに残酷な仕打ちをする人、今までに見たことない、、》、、ぼくは、熊の敷物の上に立っていた。彼女は金を手にしたまま歩み寄り、ぼくの手のひらに置いた。ざっと数えると、なかなかの額だった。200ドルを越えていた。これでようやくセックスできる。
90ポンドのチビを両腕で抱き上げ、あごの先をきつく噛んでやった。ベッドの端へ運んでいった。そして放り投げた。彼女はバウンドして仰向きに寝転がった。激しく喘いでいる。大きく広げた足がピラミッドのようだった。
ぼくも大急ぎで服を脱いだ。シーツを剥がし、四つに細く引き裂いた。それで彼女の手首をベッドの足に縛り付けた。股を広げさせ、長く引き裂いたシーツで足首をベッドのスプリングにくくりつけた。これで完全に彼女は身動きが出来なくなった。そして、ペッパーから教わった神経の震えるようなフルコースを奉仕してあげた。彼女は四度も失神した。このスリルを味わったら、もう他の男ではまったく満足できない体になってしまうのだ。
こうして、ようやくぼくは本来のピンプの道へ入ることが出来たのだった。その途中で、何度も道をぶっ壊そうとしていた気がする。でも、ついに目的地がわかってきたのだった。そのとき、憎しみが体を駆けめぐり、何百万人ものビッチを妊娠させ、新しいピンプを出産させてしまいそうな気がした。
彼女をほどいてやり、ぼくらは青い暗闇のなかに横たわった。ニセモノの白い星が天井で瞬いていた。《レディ・デイ》はまだ哀しく歌っている。
ぼくは言った、「ビッチ、これから通りで地獄のように働いてもらうよ。いっしょに大都会をめざすんだ。そうだ、今週、きみのフォードの名義を変更するから。ビッチの車なんて誰も乗りたくないでしょ。おれの名前にして、おれの所有物ってことにするね。いい?」
彼女は、「うん、ダディ、好きにして。ダディ、怒らないでね、さっき、アホな男が100ドル持ってくるって言ったの、あれ、ウソなんだ、、」
ぼくは、「ビッチ、知ってるよ。もう二度とぼくを騙そうとすんなよ」
そして、起きあがり、服を着た。札束から5ドルを抜いて洋服ダンスの上に置いてやった、「今夜6時にはストリートへ来るんだ。バーには入るな。七番街とアップル通りの界隈で仕事をするからな。夜、適当な時間に迎えに来るから。ぼくが来たときには居ないとダメだよ。逮捕されたときは、メアリー・ジョーンズという名前にしといて。忘れたらすぐに出してやれないよ。ぼくが来るときは、いつも幾らかの現金を用意しておいてね」
こう言いつけて、通りへでた。ぼくのモノになったフォードに乗り込んだ。うれしそうなエンジン音だった。ママの待つ家へ向かった。気分が良かった。出所したばかりのブラック・ボーイにしては、上出来だったと思うな。
投稿者 Dada : June 3, 2005 06:45 PM