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June 02, 2005

A DEGREE IN PIMPING 7

「女のコには冷たくすること。最初に金をもらうこと。絶対に《ジョージア》させないこと。笑われるから。カモにされるから。さんざんセックスしたあとで捨てられるような男になるな。だから、まず金を奪っておく。金を払わせることが女のコと付き合うための唯一の方法。それ以外は無い」

 フィリスは、ダンスしながら、ベッドまで来た。前かがみになって赤い絨毯をめくりあげた。エリントンの《インディゴ》に合わせて小さいお尻がもちあがった。お尻はぼくに微笑んでいた。彼女は楽しそうに演じていた。

 そして、こちらへ寄ってきた。手には細く巻いた二本のリーファーがあった。プレーヤーが終了し、再び《インディゴ》をリピートし始めた。彼女はぼくの足のあいだに立った。パンツの布の上からでも相手の太ももの肌の熱さが伝わってきて、膝のあたりがヒリヒリするほどだった。ぼくの鼻の先で、黒いサテンのような腹をゆっくりとまわしている。彼女は低く、しわがれた声で歌を口ずさんでいる。ピンプの敵。どれだけピンピンしてきたピンプでも注意しなければならない。その資格が彼女には十分にあった。21ヶ月のあいだ「童貞」だったぼくのティンティンはチャンク・アウトしたがってた。

 彼女はテーブルからライターをとり、唇にリーファーをくわえ、何度もしごいて、均等になるようにしてから、二本とも火を点けた。そして一本をぼくに手渡した、「ダディ、これ、メキシコの軽いネタだよ。メロウにしてくれるよ、、。ね〜、なんで服を脱がないの・・?」

 ぼくは思いきり吸った。もういい感じになって濡れている彼女の目を覗き込んだ。そして、頭の中で何度も復唱しておいた台詞を口にした、「ビッチ、くだらないこと言わせんなよ。まず、ビジネスの話。いつもそうしてるから。色んな意味でそっちが裸になってくんないと、脱がねーよ。悪いけど、《ジョージア》されるような間抜けじゃないから。金、金、あんでしょ、金」

 刑務所で誰かが言ってた台詞を、そのまんま言ってみたんだ。でも、この台詞にはウソ発見器のようなエフェクトがあった。彼女の腹の中でモーターが回転し始めた。遠くを見るような目つきになっている。

 たぶん、ごまかそうとして必死なんだ。やがて、北極熊の敷物にヨガみたいな姿勢でへたりこんだ。突きだしたお尻がぼくにウインクしている。その声は甘く切なく溶けていた、「も〜、はやくきてよ、、あんただけのビッチなのに、、アホな男がいて、、明日の夜になれば、、100ドル持ってくる、、それを渡すから、、今夜は待って、、はやくして、、おちんちん欲し、、」

 何だか知らないが、ぼくのシステムは完璧に冴えていた。たぶんネタがいい感じにハマッてたんだ。すごく強いネタだったし。彼女は、ぼくがどれだけピンプになりたくてたまらないか、わかってなかった。勿論、自分が最初の娼婦だなんて知るよしもなかった。ぼくは、彼女を逃がす訳にはいかないんだ。

 娼婦を手に入れなくてはいけないんだ。大麻のおかげで、《ムード・インディゴ》とともに怒りと憎しみが体に流れこんだ。この瞬間、勝たなくてはいけない敵が、白いラグの上にしゃがみこんでいた。こう考えた、「さっき、こいつ胸の谷間に金、挟んでた。それを出さなかったら、この女、殺すかも」

 最後のチャンスを与える警官みたいに言った、「ビッチ、おっぱいにはさんでた金、だしな」

 彼女は、驚きと怒りで目を見開いた。歯を剥きだして大声を出した、「ちょっと、そんなにいきなりハードにピンピンしないでよ、ケチくさいニガ、いいよ?もーいいよ、帽子とコートとってさっさと帰ってよ!」

 エリントンは火がつくようなアップ・ビートに突入していた。ぼくは褐色の稲妻のようにソファから起きあがり、右足を大きく後ろへ引いた。股関節がピンとはるような感覚。目標をしっかり見定め、針のような爪先の十一号トリプルAサイズの靴をビッチ目がけて発射した、運のいいチビはコンマ数秒のところでよけやがった、でも左肩に思いっくそヒットした、ビッチはうずくまっている。腹を抱え、何だかよくわからない声でうめいている。

 あとは、刑務所で何度も夢に見たように、彼女のお尻を足がつるまでひたすら蹴り続けた。泣き喚いたが、かまやしない。こっちは汗だくだった。だんだん疲れてきて、彼女の隣に倒れ込んだ。そして、耳元で氷のような声で「ビッチ! 殺すまで蹴らないと理解できないか? さっさと金とってこい」

 すると、頭をこちらへ向け、ぼくの目を見た。もう怒りは消えていた。恐怖と奇妙な感情が入り混じっていた。何か喋ろうと口を開くのだけれど、しばらくのあいだ、声にならなかった。ようやく、ささやいた、「あんたの娼婦なのよ、ブラッド、もう蹴らないで、あんたの犬になるから。何でも言われた通りにするから、愛してるよ、ベイビー、、、」

 そしてむしゃぶりついてきた。ぼくの舌を根元から吸いながら首のうしろに爪を突き立てた。涙のしょっぱい味がする、、^^

投稿者 Dada : June 2, 2005 06:45 PM