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May 23, 2005

SALTY TRIP WITH PEPPER 12

 次の日、ぼくはダウンタウンへ行って洋服を買いそろえた。

 ナット・キング・コール・トリオが出てきたころだった。

 その夜、リバティ・ホールで彼らが演奏していた。《パーティー・タイム》とぼくはバルコニーのテーブルから階下のクラウドを見下ろしていた。膝の上にのせた黄色いビャッチたちをいじくりまわしながら。女たちは完全にぶちギマッていて、いつでもお持ち帰りできそうだった。

 そのとき、《パーティー》がフロアの正面の扉から男が入ってくるのを発見した。そして、肘でぼくのことをつついた。囚人がよくやるように、口のはしっこを使って囁いた、「警官のダランスキーが来てる・・」

 見ると、あの糞野郎が周囲を見回していた。いろいろな場所に目を配っているようだった。そして、ぼくと目が合い、ロック・オンされたとき、腹の中で毒針をもった蝶が大騒ぎをはじめたような感覚があった。凍りついた。こっちを睨みつけたまま階段を上り、真っ直ぐこちらへ向かってくるんだ。

 無視しようとした。ダランスキーはすぐ後ろまで来て、長いこと突っ立っていた。そしてついにぼくの肩に手を載せた。鉄床みたいにずっしりと重く感じた。

「立てよ、ちっと聞きたいことがある・・」

 足ががたがた震えだし、暗がりの小さな空間へ連れて行かれた。

「昨日の夜、10時以降、どこにいた?」

 安堵と勇気が沸いてきた。ちょろいぜ。ぼくははぐらかした。

「どうして?」

 彼は言う、「おい、小僧、はぐらかすなよ。どこにいた? まあ、答えなくてもいいよ。知ってるんだからよ。クリスタル・ロードまで足をのばして、フランク・イベッツ夫妻の家へ強盗に入ったろ。夜間の強盗は5〜10年食らうぞ」

 安堵と勇気がみるみる萎えてきた。フランク・イベッツはペッパーの旦那だ。ボディ・チェックがはじまった。ポケットに手を突っ込んでいる。片方からは報酬の残りの三百ドル、プラス、ピン札で二十ドルでてきた。もう片方からは、見覚えのない真鍮のドア鍵・・。

「おいおい、ドラッグ・ストアの使いっ走りのくせに、なんでこんな札束もってんだよ。どこで手に入れた? それに、この鍵は、どこの家のだ?」

「刑事さん、これは賭けで儲けた金ですって。鍵は知らないです」

 やつは、思いっきりぼくの腕を掴むと、フロアのパーティー・ピープルたちのあいだを縫うようにして外の車まで連れ出した。

投稿者 Dada : May 23, 2005 06:25 PM