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May 28, 2005
A DEGREE IN PIMPING 3
バーテンの黄色い顔から目を離さずにこうたずねた、「シュガー、その女のことを教えてくれないか。もう誰かにクオリファイされてるのかい。つまり、すでに娼婦になってるのかい。男はいるのか?」
彼は口をもごもごさせた。カウンターに映ったぼくの顔のあたりを、湿ってぼろぼろになった雑巾で拭いた。そして、囁くように、「あのビッチはね、娼婦とはイエナイね。セント・ルイスから出てきたばっかりのお尻の臭いビッチ。なんていうの、まだお尻が臭くて、気持ちだけは娼婦になったつもりなんだけど、じっさいはお尻が臭いのよ。あのビッチだったら、まだアタシの方がまし。とにかく、セックスだけは大好物みたいだけど。なんでも、一ヶ月前、ヘタレのピンプを三人まとめて《ジョージア》したって。そうね、あんたのピンピンが強力なら、あのビッチのお尻でキャデラックを稼げるかも。18だってさ」
ぼくは、ポケットから金を取り出し、二本目のコーラの分を置いた。刑務所でピンプの先達たちに習ったことは、まだまだ生々しく覚えていた。
こう言った、「いらねーってそのビッチに伝えて。小さなことで世話になりたくないって。逆に、もしオマエがぼくにクオリファイされたら、大きなお金を世話してやるって。と、ぼくから一杯おごってやって」
ジューク・ボックスでは、エラ・フィッツジェラルドが《小さな黄色いバスケット》を甘く切なく、やるせなく歌っていた。
バーテンは、よたよたしながらドリンクと伝言を携えてビッチの方へ歩いていく。ぼくは青い鏡をとおしてターゲットの女の姿をじろっと見た。ケツがピリピリしてくるのを感じた。お尻の穴が引き締まった。彼女はペキンギーズ犬みたいに美しかった。ふたつの目は、ベルベットのなかで踊る踊り子のようだった。ひりひりと熱い《金の予感》が全身を駆けめぐった。あの女をコップしてピンピンできれば、白人のカモたちを刺す猛毒をもった蝶が誕生するだろう。
ピンピンの先達たちは基本的な戦術をよく心得ていた。そのとき、ぼくはあの人たちの言葉に聞き耳を立てて一言も漏らさず覚えていた自分に感謝した。
彼らよく、こう言っていたのだ。「追っかけまわしたらショボいビッチがやってくる。そっと忍び寄ればストロング・ビッチが手に入る」
投稿者 Dada : May 28, 2005 06:20 PM