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April 02, 2005

FOREWORD 5

 そのあと、いろいろあって、ようやく自分のホテルへ戻る道すがら、“ベイビー”ジョーンズ、あのマスター・ピンプに、偶然出会って、声をかけられた。そして、キムのような女について話したことを、いまだによく覚えている。

「なあ、スリム、」彼は言ったよ。

「かわいいニガのビッチと、白人のビッチは、同じ。すごく似てる。両方ともすぐに旦那を見つけて金を使わせる、そしてピンプから逃げ出す、もうまっぴらだってな。だから、豚みたいに働かせなくちゃ。速攻、ハメて、大金、ポン引き、カマすんだよ。スリム、ピンピンはラヴ・ゲームじゃない。だから前戯だけだよな。いいか。チンコは絶対に入れるんじゃない。女が自分のことを愛してるなんて思ってるピンプは、ママのお尻の穴から一歩も出ちゃいけない…」

 ああ、どんどん思い出してきた。もっと記憶を遡ると、たしかあのオヤジ、こんなことも言っていたはずだ。《ザ・ジョージア》について。

「スリム、ピンプってのはな、本当は女。娼婦と同じ。つまり、ゲームをひっくり返して女の方から見てみろ。だからな、スリム、つねに金みたいにスウィートな存在でいろ。でも、金より甘いものになったら駄目。そして、セックスする前に、女の心をぐるぐるに縛りあげる。ピンプにとって女は、罠以外の何物でもないからな。絶対に女に《ジョージア》させるな。いいか。金をもらってから。女たちと同じだろ、まず、金を払わせる…」

 部屋へと昇がっていくエレヴェーターのなかで、おれは自分のことを最初に《ジョージア》した、あるビッチのことを思い出していた。彼女が、どんな風におれをトリックし、狂わせたのかを。あの女も、もう年を取って髪の毛は灰色だろうな。でも、もしまた会うことがあったら、おれは必ず、あのビッチに金を払わせる。永遠に安らぐことのない、この心を精算させるために。

- つづく -

投稿者 Dada : April 2, 2005 11:55 AM