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April 01, 2005

FOREWORD 4

 キムのところへ戻ると、彼女は荷造りをすませてじっとしていた。駅へ向かいながら、おれは自分の頭の中にある「ピンプの本」のページを物凄いスピードでめくり続けていた。この女の尻にキスすること無しに、彼女をそばに居させる方法が載っていないか、探していたのだ。

 だが、そんなことは一行も書いてなかった。たった今、このビッチが、おれを試し、脅しているということが、ハッキリと理解できただけだった。

 ロータリーの駐車場へ入っていくころには、彼女はすっかりうなだれていた。曇った瞳でこちらを見つめながら、泣きそうな声で叫んだ、「ダディ、もしかして本当にわたしを辞めさせるつもり? ダディ、愛してるよ!」

 この瞬間を逃さなかった。すぐに「前戯」を開始した。こう言ってやったのさ、「ビッチ、心にウサギを飼ってる女はいらない。おれが欲しいのは、一生、おれについてくる女だ。朝、くだらないブル・シットをかましたビッチには消えてもらわなきゃならない。だが、今のおまえは、そんなビッチじゃない」

 彼女をコロすには、これで十分だった。おれの膝に崩れ落ち、泣きじゃくりながら許しを請うた。女と別れる場合、ひとつのセオリーがある。おれは、金が無いのに男と別れる女は、いないと思ってる。

 だから、すかさずこう突っ込んだ、「なあ、持ってる金を全部だしな。そうしたら、もう一度チャンスを与えてやるからさ」

 勿論、すぐさま女は胸の谷間に手をつっこんで、5枚くらいの札を取り出し、おれに手渡した。ちょっとでも脳味噌のあるピンプなら、若くて美しくてまだ利用価値のある女を、切れるわけがない。おれは彼女をチームに戻してやった。

投稿者 Dada : April 1, 2005 10:55 AM