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April 20, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 7

 おれはその場から姿を隠し、路地へ頭だけ突き出して様子をうかがった。呻くような声が聞こえる。女の上に必死で馬乗りになってる心臓病患者が出すような声だ。見ると、風船野郎が逆にパーティーを羽交い締めにして唸っている。

 心臓が破裂して溶けだしそうだった。力が抜け、そばにあったゴミ箱によたよたと崩れ落ちた。こんどはウェイト・リフティングみたいにパーティーを高々と持ち上げ、地面に向かって思い切り叩きつけている。パーティー・タイムは縫いぐるみみたいに転がっている。

 風船野郎はかけ声とともに飛び上がり、コンクリートの塊のようになって可哀想なパーティーの上に落下した。あまりにも悲惨すぎてゲロを吐きそうだった。ゴミ箱から飛び出してパーティーのために戦おうとする力を振り絞ろうとしても出てこなかった。男らしくないだろ。インチキ娼婦だったからさ。

 パーティーは吊り上げられ、背負われて、歩道へ消えていった。首の骨がゴムみたいに風船野郎の尾てい骨の辺りでぶらぶらするのが見えた。

 おれは、すぐさま飛び出して自分の家へ走って逃げた。ローラーたちがきっとおれのことも叩きのめしに来るだろうと注意し、耳をそばだてていたが、結局、彼らは来なかった。パーティーが久しぶりに腕試しをしようとした相手は、《ブリンプ》ってリングネームのプロレスラーだったんだ。

 病院から出てくると、パーティー・タイムは再び刑務所へ戻って行った。彼は絶対におれの名を口にしなかった。本物のハスラーだよ。

 その後、あの人は、年を取って、もうハッスルする気力が無くなってから、次はピンプになるってずっと言ってた。ピンプに向いてる人じゃないんだけど。何とか自慢の腕力でピンプになれないか、頑張ってたみたい。危ないディーラーの女と《ゴリラ》をやっちゃって、《ホット・ショット》入れられちゃったんだけどね。ボロボロになるまでピンプが諦めきれなかったんだ。

 ピンプ・ゲームってのは、時計職人の技と同じだからさ。タフなんだよ。彼はボクシングのグローブをはめて時計を作ろうとしてた。お陰で残りの人生を台無しにした。あの人が痛い目にあったことで、おれはハッスル熱が冷めた。昼間、学校じゃ何をやってんのかなと思って、また通うようになった。

投稿者 Dada : April 20, 2005 10:57 AM