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April 30, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 16

 ぼくらは、それらの服を渡されると、大きな部屋へと連れて行かれた。そこには、制服に取り付けられた真鍮のボタンと、金色のブレードでぴかぴか光っている、押し黙った背の高い看守がムチをふるっている。ベンチに服を置き、今、着ているものも脱いで簡単な検査を受けるよう、せきたてている。部屋の奥のべこべこした鉄製の机のまえに、刑務所の医者がいた。

 ようやく全員の身体検査が終わると、シャワーを浴びさせられた。金色に輝く看守が、ムチをうるさくふり続けるんだ。さっさとドアから出て、左へ曲がり、それから通路を真っ直ぐ歩いて行け、といっているんだ。200ヤード先にある低いビルまで整列しながら歩いていると、ふたりの看守が両脇に付いて来る。こいつらも異常に静かだし、ムチがいちばんペラペラ喋っていたよ。

 やがて、ビルの中の光景よりも先に音が聞こえてきた。雷のような、怖ろしい轟音が鳴り響いているんだ。あんな音は、それまで聞いたことがなかった。そして、暗がりから、数え切れない数の囚人たちの厳しい顔が、灰色の海を泳ぐように蠢いているのが徐々に見えてきた。神秘的とすら言える光景だったよ。100ヤード先まで行くと、その正体がなんなのか分かった。何百人もの囚人たちが鎖に繋がれて食堂から三つの監房へ歩かされていたんだ。悲惨なロボット戦士たちの行進を見ているようだった。雷のような轟音は、彼らの重たい革靴が響かせていたんだよ。

 そうして、ようやく低いビルディングに到着した。これから数日は、ここに滞在して査定を受けることになるのだ。この刑務所にやって来る全ての受刑者たちには、まずここで身体検査と罪状の確認が行われ、それから定員に合わせて服役する監房が決められていく。

 白い制服にとんがり帽子の看守が、房のドアのスロットから夕食を入れてくれたとき、この刑務所という「リンゴ」の腐った中身を味わわされた気がしたよ。かろうじてスープと呼べる液体と茶色いパンの塊だった。グレネード弾の中につめて投げたら人が死にそうな代物だったよ。

 ぼくは新入りだったから、いっきに飲み干すかわりに、この食物をしげしげと眺めてみた。目を近づけて、パンの表面にある黒いつぶつぶを観察してみた。腹が痙攣するまで吐いたよ。つぶつぶは、麦ではなく、虫だったんだ。

投稿者 Dada : April 30, 2005 04:47 PM