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April 28, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 14

 ぼくがウィスコンシン州グリーン・ベイの少年刑務所へ送られるという判決を聞いて、ママはほとんど廃人のようになってしまった。

 拘置所には、少年刑務所の《リピーター》たちが何人かいて、初めての連中をびびらせようとして、ぼくたちを連れて行くバンを待っているあいだ、そこで繰り広げられる悲痛なエピソードをやたらと話しかけてきた。ぼくは、そんなのを聞いても何にも感じなかった。そんなの作り話に決まってる、と決めつけていたんだ。馬鹿だったよ。

 二週間ほどのあいだ、ママは毎日、手紙をくれたし、二回、訪ねてきてくれた。罪悪感と悲しみがずっしりと彼女にのしかかっているようだった。

 ロックフォードのころを思い出せば、スティーヴの阿呆が現れるまでは、ママは教会のしもべとして、敬虔なクリスチャンの暮らしをしていた。そしてこのとき、ぼくのところに届いた手紙を見ると、悔い改めなければ、おまえは地獄の業火に焼かれるとか、悪魔の奴隷になるとか、そんな危ないことが、震えるような字でびっしりと書き込まれていた。可哀想に、ママは自分の正気を保つため、狂信的なキリスト信者になってしまったんだ。ヘンリーを死に追い込んでしまったことと、ぼくの過ちを、恐ろしい罪科として背負っていたんだ。

 雷が鳴り、嵐が吹きすさぶ朝に、ようやく輸送車がやってきた。互いに手錠でつながれながら乗り込んでいくとき、冷たい横殴りの雨のただ中に、ママがさようならと手をふりながら立っているのが見えた。悲しみと孤独で震えているんだ。その瞬間、喉の奥のほうから、咽び泣くような感情の塊がこみ上げてきた。痛いくらいに泣こうとした、でも、泣かなかったよ。

 ママは、輸送車が到着する時間をどのようにして知ったのか、言わなかった。今でも、あのとき、なぜママがあそこでぼくの旅立ちを見届けることが出来たのか、ぼくにはわからない。

 そして、ぼくは連れて行かれた。政府の連中は、その場所を「少年刑務所」と呼ぶが、とんでもない。あれは完全にリアルな刑務所そのものだった。

投稿者 Dada : April 28, 2005 05:20 PM