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April 26, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 12

 次の客がよくなかった。ジュンの父親の知り合いだったんだよ。彼女の顔を見るなり、彼はびっくりしてピッツバーグの父親に連絡してしまった。

 すぐに地元の警察が呼ばれ、ぼくのピンプとしてのキャリアは早くも終わることになった。小屋に刑事が来ているときも、白のパッカードを買うためにストリートで次の客を物色してるところだった。間抜けな話だよ。

 ダイアモンド歯のジミイじいさんのピンピン話に、上手いこと乗せられてただけだったんだ。もちろん、ママはかんかんになって怒った。あの腐れビャッチのジュンっていう女が、うちの可愛い息子にピンプまがいの悪事を働かせた、とか何とか喚き散らした。

 郡刑務所では、裁判の2日前に独房から出されて弁護士と面接をおこなうことになった。背の低い、アホみたいな顔をしたニガが部屋にいて、古いオークの机ごしにおれを睨みつけていたよ。

 悪寒が走った。むかいに腰かけるころには、手のひらが汗でべとべとになっていた。口のなかが黄色い歯ばっかりでぴかぴか光ってるんだ。くそ。こりゃ深南部のニガだよ。こいつらは、いざ刑事裁判になると陪審員の顔をうかがうだけの役立たずなんだ。ママは知らなかったのかな。

 ネズミ野郎は、青黒い眉毛をハンカチーフで拭いながら、「ボビィ、ちょっと困ってるみたいだな。おれは弁護士のウイリアムズ。おまえの家族の古い友人だよ。ママが女の子のころから知ってる」

 何だかムカついてきたから、この醜い糞野郎に殺人者みたいな視線をデリバリーしてやったよ。

 そして、「ちょっとどころじゃねえよ。死刑かもしれないぜ」と言った。

 彼は、ネクタイを手でいじくり、安物のジャケットを着た肩をすぼめながら、こう言った、「ね!・・でも、あんまり深刻になるなよ。初犯だから大丈夫だ。減刑されるのは間違いないから。さあ、自分のした事をありのままに全て話してくれないか?」

 ますますムカついたよ。ムカつき果てたよ。おれの負けは確定した気がした。こいつのせいで死刑にされると思った。もう、何度も話をして、弁解しようとしたけど無理で、この刑務所まで来てしまっているんだ。決まっていないのは刑の長さだけなんだ。これから話をして、どうしようっていうんだ。そう思ったけれど、しょうがないから、また洗いざらい此奴に喋って、独房に戻ったんだ。

 裁判の初日、ネズミ野郎は法廷でめちゃくちゃ緊張しながら、おれの有罪を認めた。あの日に着ていた汗べとべとのスーツを、また着ていたよ。

投稿者 Dada : April 26, 2005 05:30 PM