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April 25, 2005

FIRST STEPS INTO THE JUNGLE 11

 ダイアモンド歯のジミイじいさんは、「おれはフランスへ行ってパリの女の子をピンプしたただ一人のピンプだ」とよく言っていた。聞いてもいないのに延々と喋ってた。のちに、ぼくは本物のピンプ・マスターと出会って、訓練を受けたから、ジミイじいさんなんて素人同然だったなと思うようになった。マスターを名乗る資格はなかったよ。

 毎晩、賭け金の支払いが終わり、負け犬たちが引き揚げていくと、ジミイじいさんは扉に鍵をかけ、灯りをともし、まるで儀式のように、細い茶色のジョイントに火を点ける。昔話をしながら、おれに回してくれたよ。もっと煙を吸って長く肺にためろ、と口汚く罵られたよ。「堪忍袋の緒が切れるまで深く吸いこみなよ、ボーイ、おれみたいに」

 往年のピンピン話を夢枕に聞きながら、ちっちゃくて四角いベッドにもぐりこんで眠ったものさ。夜が明けると、すっと小屋を抜けだして十九才の女のところへ行っちまうんだ。毛皮やら宝石やらを貢いでたんだよ。骨の髄まで女好きの人だった。そんな人といっしょに生活してると、ピンプの夢ばっかり見るんだ。美しい女たちがかしずき、ぼくの股間を優しく撫でまわしながら、金を渡してくるんだ。ファンタスティックだったよ。

 そのころは、或る有名なバンド・リーダーの娘と何ヶ月かつきあってた。十五才だったんだけど、よかったな。ジュンていう名前でさ。ジミイじいさんが小屋から消えるまで、ストリートで待ってるんだ。それで、じじいが出て行くと、ぼくのベッドに潜りこんでくるんだ。夜の9時には小屋を片づけて営業をはじめるから、いつも夕方の7時くらいまでイチャイチャしていた。

 ある日の正午すぎに、彼女に尋ねた、「ぼくのこと愛してるなら、なんでもやってくれますか?」「うん」「トリックでも?」「なんでも」

 それを聞いて、すぐに服を着てストリートへ飛び出した。よく知ってるギャンブラーの老人を見つけると、女がいることを話した。値段を訊かれたから、5ドルにすると、すぐに払った。で、小屋へ連れて行ってジュンと引き会わせた。彼女は、ものの5分でそいつをイカせてしまった。

 十七才のぼくの頭はいい感じにリールしていた。この女とチームを組めば、金もちになって白のパッカードに乗れるかも、なんて思いはじめた。

投稿者 Dada : April 25, 2005 05:00 PM