まごころ
代官山の蔦屋のハイ・エンドな現実感で、
まだ、動揺している……。
ガチで、一回いってみて。
あそこで本を選ぶ自信が、ぼくにはない。
<日本の名随筆>を一円で買っているぼくには……。
なんか、自分が自分の人生を
どうしてもこの様にしか生きられなかった、
こぼれ落ちてしまったなにかが、
代官山の蔦屋には、全てある……。
例へば、iPadでプレゼンすること。
スターバッコスのこーひーをのみながら、
海外のインテリア雑誌をうんたらかんたら……。
ああ……。ボタンを掛け違へてしまつた。
あそこで調子こいてる筈だつたのに……。
しかし、あの店に、丸谷才一の本が、
何冊あるというんだ??
ぼくなら、あすこで日本の家紋のデザイン集を
見てゐる女性に、丸谷才一の文学観について、
二時間は講釈できるのに……。
或いは、日生劇場で海老藏を見たこと。
更に二時間は、海老藏について教えてあげるのに……。
そうして、ガラス窓の向こうでは、チエチエが、
新しいデッキでテールスライドしてゐる……。
あいつは、ぼくの友達なんだ、と言う……。
こんな所に居てもつまらないよ、
新橋演舞場では、藤山直美が<銀のかんざし>
演じているんだぜ……。手をとって連れだす……。
日本橋の三越へいったことあるかい、
佐藤玄々の<まごころ>を見たことないなんて!
……。
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- Published:
- 12.14.11 / 1am
- Category:
- Playbook
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