CREAM SODA 4

『宝はいつも足元に』は、 不良少年少女のためのブティックを経営している山崎眞行の自伝である。この本は、かれが幽霊になって人生を回想するかのような、不思議な透明感に満ちている。その中に、コピー&ペーストしたくなるような名言が、いくつも散りばめられている。というか、タイトルだけで、ゴハン何杯かイケると思わないか。ということで、編集者の赤田祐一氏に語っていただいた(す)

 森永さんから、山ちゃんが臨死体験しちゃったらしいよ、なんて話、聞いてたのね。それで『団塊パンチ』という雑誌でインタビューをして、記事を書いてもらったのね。本の冒頭と、ほとんど同じですよ。その前にも、山崎さんと北原照久さん(なんでも鑑定団)で、サクセスフル・エイジングの話をしてもらったのね。北原さんは、大尊敬しているのね、山崎さんのことを。オモチャつながりじゃなくてね。森永さんが書いた山崎さんの物語『原宿ゴールドラッシュ』ていう本をよんで、大感動しちゃって、自分で『横浜ゴールドラッシュ』ていう本を書いたんだよ。『横浜ゴールドラッシュ』の中に『原宿ゴールドラッシュ』の初版本がでてくるわけ。「買い取ります!」って。五十冊買ったらしいんですよ。山崎さんが六十五才で、北原さんが六十才くらいかな。でも、クリームソーダ時代は、たぶん行ってなかったんじゃないかと思う。生き方とか、やり方とかが、すごい人だと思ったみたい。八十五年ですよ、『原宿ゴールドラッシュ』。ぼくも買いましたよ。ヘンな本だな、と思ってたけど。だって花のタネが本の付録についてたんですよ。「この種をまきに、原宿にきてください。春になったらきれいな花が咲きます」なんて書いてあって。『団塊パンチ』には、だれでも面白い人に出てもらいたかったんですよ。だから、この二人にピンクドラゴンで対談してもらったんです。北原さんの店<TOYS>も、フィフティーズだよ、明るい世界観。かぶってますよね、山崎さんと。不良性はないけどね。この特集も、『宝はいつも足元に』の伏線としてあったんです。
 森永さんの本は、いっぱいありますよ。『やるだけやっちまえ!』は、九十九年。イルドーザーがデザインやってるんだもん。あれに続く本ですよ、この本は。他にもいっぱいあるの、森永さんが書いた山崎さんの本。七冊か八冊くらい。『テディボーイ』とかは、いれないで八冊くらい。サーガのような感じで、山崎さんていう主人公を、森永さんが書きつないでるっていうか。今回はいちおう、自分で書いたという触れこみの自伝なんですよ。構成は森永さんだけど。臨死体験のところから始めよう、っていうのは決まってたの。『団塊パンチ』がでたとき、故郷の北海道の赤平から、三件くらい電話かかってきたんだって。小学校の同級生とか、四十年以上音信無かった人から、どうしたんだ、みたいな。それで、山崎さん、びっくりしたみたい。

宝はいつも足元に

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